「嫁に来るときに木工職人の家だから、自分達で食べるくらいしか農業はしていないと聞いたのに・・・。実際には水稲とビール麦を1㌶も栽培していると知ったときの衝撃、それは今では良い思い出です」と笑顔で語るのは阿波市女性農業委員(1期目)の野口邦子さん(65)。
野口さんは、木工職人の夫と水稲2㌶、レタス50㌃、果樹20㌃を栽培する兼業農家で、温和で世話焼きな人柄で周りからは頼られる存在だ。
女性初の体育指導委員、JA板野郡一条支所女性部長に選ばれ、地域のお世話役として貢献し、前任の女性農業委員から後押しを受けて、今期から農業委員に選任された。
「毎日が勉強で、研修会があるなら、忙しくても出席して吸収していきたい」と委員活動には意欲的で勉強熱心だ。その姿勢は、農業委員会会長からも一目置かれ、委員就任1期目にして農業者年金の加入推進部長にも選任され、昨年は1名の加入実績を上げている。
「頑張っている農業後継者を見ると応援したくなるんですよ。農業者年金は政策支援加入で2万円の掛け金の半分を国が掛けてくれます。若い子には特に進めたいし、やりがいを感じますので、対象者がいれば進めていきたい」と意気込みを語った。
今年の徳島県女性農業委員協議会の総会では、監事に選ばれ、その手腕には期待が寄せられている。
農業立市を掲げる阿波市の良きサポーターとして、今後の活躍が楽しみである。
女性農業委員インタビュー