女性農業委員インタビュー

広田英子さん(68) 海陽町農業委員

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「JAに40年間勤めて、金融・購買部門を主に担当しました。お客様と触れあうサラリーマン生活もいいですが、自分のペースで仕事を行える農業も魅力的ですね」と語るのは海陽町女性農業委員(2期目)の広田英子さん(68)。
 広田さんは農業委員会前会長の後押しもあって、議会推薦で農業委員となった。
 農業者としては、夫と息子の3人で、きゅうりを20㌃のハウスで有機栽培を行い、主に関西・関東市場に出荷している。
 有機栽培は、町が主催したセミナーをきっかけに5年前から取り組みを開始した。「付加価値をつけて、単価を高く販売し、より安心安全なものを消費者の口に届けたかった」と当時を振り返るが、軌道に乗るには2年を要したという。現在は、土作りと温度管理を徹底することで収量も安定しているという。そんな広田さんは、昨年近隣住民と女子会を立ち上げ、災害時の炊き出しの練習や、修学旅行生の民泊を実施している。
 「町では都会の修学旅行生を受け入れて、田舎を満喫する南阿波よくばり体験を行っています。海でサーフィンしたり、農作物の収穫や出荷の体験など都会にいる学生には新鮮だと思います。特に夜に海で見える満天の星は、心に残る思い出になるのではないでしょうか」と笑顔で語る。
 県女性農業委員協議会会員としては、5月に海陽町長や町議会議長に農業委員の女性登用の要請活動に参加した。「会ではなかなか発言ができなくて、力不足を痛感しています。町ではきゅうりのスイーツの作成など、女性が中心にPRを行っています。今後、2級品のきゅうりの漬け物を作っても面白いかもしれませんね」と提案した。
 県南農業の持続的発展を支える女性農業委員の活躍に期待したい。