「私はもともと小松島市の出身です。嫁ぐときに北方の農家に嫁いだら、仕事が大変ですよと周囲から言われてました。南ではのんびり農業をするのが主流でしたからね」と笑顔で語るのは板野町農業委員(1期目)の山本静子さん(65)。
山本さんは、夫と息子夫婦、外国人研修生2名で、野沢菜、白瓜、ミブナ、カブラ、大根、きゅうり等をハウス3㌶と露地3㌶で栽培している。
山本さんは21歳の時に結婚し、当初は大根と白瓜を2㌶栽培していたが、経営規模を拡大し、現在は山本漬物食品有限会社を設立し、板野町を代表する農家に成長した。
「有限会社なら夫婦2人で協力すれば大丈夫かなと法人化しました。節税や将来的に雇用もしやすくなるので、農業法人はこれから増えると思います」
そんな山本さんは、JA板野郡総代(2期)とJA板野郡女性部役員(3期)を務める地域の相談役で、これまでの実績が評価され地元の推薦で農業委員に選任された。
昨年は地元委員と連携で農地パトロールを実施、以前は仕事に没頭していて気にかけなかったが、遊休農地が気になり始めているという。また、近所の農家が高齢となり遊休農地となっていることもあって、農業委員会と連携し、農業委員としてできることを模索している。
一方で、徳島県農業委員会女性協議会活動では後継者対策に興味があり、地域の独身男性農業者に婚活食事会への参加を呼びかけた。
「町では認定農業者連絡協議会、商工会やJA青年部と協力して独身男性の婚活を支援していました。現在、婚活の支援は町を挙げて行っており、私の息子も以前は参加していました。私のできることであればお手伝いできたら」と語った。
後継者が育ちつつある板野町の中心的なリーダーとして一層活躍されるよう期待している。
女性農業委員インタビュー