「今年で80歳になり、県内の女性農業委員では最年長かもしれません。農業での女性の地位の向上を訴えますが、前面に立つのではなく、リーダー達を後ろからサポートするのが役割だと思っています」と語るのは湯浅友子さん。
湯浅さんは小松島市農業委員で現在4期目。農業委員会副会長で、徳島県女性農業委員協議会役員も務める。過去にはJA東とくしま・小松島支部の女性部長を務め、その際に女性部で行う介護事業に力を入れて取り組んだという。
「認知症の義母を介護していた時、色々な苦労がありました。苦労の中で誰かのためになることはないかと考え、同じ思いをしている人の手助けをしたかったんです」と当時を振り返る。
JA徳島市で始まった介護事業に参加し、人手が足りない田舎に住むお年寄りの家を中心に積極的に介護に回った。その際には家事援助として得意の料理を振る舞い、多くの利用者に喜んでもらったという。その後、JA東とくしまでも介護事業が始まり、約10年間の間、高齢者の身体と心を支え続けた。
最近では独身男性農業者が母親を介護する家が多くなっており、これからは高齢者だけではなく、彼らの婚活の手助けにも力を入れたいと意気込む。
昨年9月に、徳島県女性農業委員協議会の農業者婚活バスツアーが開催された際には、地元の独身男性農業者参加を積極的に呼びかけ、2名が参加することになった。
ツアーでは、収穫体験の補助を行い、カップル成立への現場の盛り上げ役として貢献した。
「徳島県女性農業委員協議会の役割は、女性の視点から見た農業活性化へのアプローチを行うことです。来年の活動は耕作放棄地に花を植えて、地元がもっと美しくなるような景観作りをすすめていきたいです」と今後の抱負を語った。
会長の足下を支えるベテランの働きは輝きを増している。
女性農業委員インタビュー